過熱蒸気の調理はミラクル 
過熱蒸気の調理器、大阪の直本工業の調理試験室を訪ねた。4月だった。食品学の大学教授、レストランのオーナー、食物と調理アドバイザー、そして私の4名。試作は同社の松浦課長が指導された。
試作に使用された機種は直本工業株式会社製「350スチームDCオーブン」モデル
NF-5020C型機である。
今、スチーム・オーブンは電器メーカー各社でかなり開発が進み、家庭用の高性能で便利な機器が発売され身近なものになった。中でも業務用として専科した器具の開発のパイオニアは直本工業である。
早速、市販の店頭品のサバの切り身(写真)が調理された。設定温度はオーブンの温度表示(写真)の通りで、表示の上段は調理時間<分>、中段は上部調理温度<℃>、下段は下部調理温度<℃>である。
取り出されたサバの表面、外気と触れて次第に表面に焦げ色が付き始まる(写真下)。これは、庫内が無酸素状態に近いことをうかがわせる。
試食した4名は異口同音「おいしい」、うまく表現ができないが、産地で食べる新鮮な味そのままである。何処産のサバにも負けない。特に、切り身の色と味、もう一つは油の味である。
続けて島根県産のエテカレイの一夜干し(写真)、アジの一夜干しも十分に産地の味そのままに味わった。ここでは肉や魚の調理に必要な塩を使う必要はない。逆に、浸透した食塩は排出されると言はれる。
それ以上に驚きは油である。近年、魚の油(DHA,EPA)は、とくに循環器系に優れた健康効果があると言はれる。この調理では油の過酸化は無い。分析よりも先に味覚で見分けられる。
引き続き、各種の野菜を試みたが、日常と違って、個々の野菜に調理の特性が表れる。ジャガイモ、アスパラガス、ニンジン、エンドウ、大根葉(次項写真)がテストされた。中でもニンジンはまろやかな甘みがあり、際限なく食べられるほど好評であった。
私が特筆したいのは、大根葉である。この味はまさに秀逸である。これらの素材の野菜はいずれも店頭品である。大根に付いていた葉が調理された。いわゆるアクは完全に抜けて、柔らかくほどほどの口当たりになり、風味は野生の香りを伴い、適度な甘みを備えた驚きの味である。香味野菜として、春菊(キクナ)や水菜(ミズナ)を超える味といえる。
もともと、通常のスチームオーブンなら、風味は水蒸気蒸留によりかなり飛ぶだろう。過熱蒸気オーブンは、蒸気ではなく、蒸気が水に変化(凝縮)する際に放出する高い熱量で調理する。瞬間的に材料の表面が無酸素状態で焼かれ、熱だけが短時間に浸透する、栄養的に重視されるビタミン、ミネラル、さらにはポリフェノールなどのファイトケミカルが壊されていないことをうかがわせる。
レモンのコンポートができた。早業である。そのまま砂糖を足すと結構なデザートになった(写真中)。甘夏のマーマレードも過熱蒸気の調理では思い切り時間が短縮できた。
過熱蒸気による調理の科学については、たとえば「シャープ・電化製品開発センター」の研究報告、「日本調理科学会近畿支部」の共同の研究報告など、科学的な研究報告が見られる。脱油脂、減塩、ビタミンCの酸化抑制、油脂の酸化抑制などの効果が報告されている。
そして体験した限りは調理時間が数分という驚くべき短縮である。これらの長所を利して食育や介護への応用の効果も現場で研究されている(装置の全貌写真)。- フランスは伝統のグルメ文化が伝わる。最近芽生えてきた「分子美食学」はブリア・サバランの「美味礼讃」を発展させて調理の科学を開拓したフランスのエルベ・テイス博士の「調理の神秘」を紐解いた。目を通したが過熱料理はオーブン料理に触れても、280度を超える過熱料理についての調理の科学には触れていない。米国で過熱蒸気の調理を探しても、日本メーカーの製品の紹介に留まっている。まだ調理の世界では「石窯」超える調理法は開発初期である。
- 過日、某テレビ局は「焼く、煮る、蒸す」の三料理法を比較し、いづれも栄養成分の保存には大きな差がないことを報じていた。蒸す調理と、過熱蒸気の料理は全く異なり、その調理結果は大きな違いがあることを明記しておきたい。
- 試食しながら、ある命題に取りつかれた。食品の栄養成分は素材の分析値が基本である。調理後の成分の変化はあまり論じられない。僅かに、過熱による成分の増減を論じ、又は過熱による主として酸化による有効成分の変化を論じた研究はある。ましては、最近では腸内細菌による発酵から生ずる有用成分の研究がすすめられている。
素材の成分の正確な分析値はすべての栄養論の基本である。ところが調理により成分は変化する。たとえば、食品工業では、還元糖が熱の存在でアミノ化合物(タンパク質など)と反応する「メイラード反応」があり、メラノイジンを生成することは知られている。料理人はこれらの現象を巧みに生かしてきた。栄養成分を考える時、特に調理、そして食後の代謝を考えるとき、素材は調理され、味付けされ、消化されて体内を巡り細胞に至る、あたかも川の流れのように栄養素は変化しながらカラダの健康に関与していることだろう。 - 食後の美味の余韻で考えた。過熱蒸気の調理法、この味からみて成分にどんな変化があるのだろうか?鮮度というのは何だろうか?健康にはどう良いのだろうか?そして過熱蒸気による調理の美味をどう評価するか?今回は研究者や美食家と共に試食し会話しながら、まず重視すべきことは、視覚、味覚、嗅覚、食感を総合した味、美食家の五感の確かさが健康への利益を評価する第一歩に違いないと思うに至った。それは次の一文を思い出したからである:
フランスの作家ブリア・サヴァラン著「美味礼讃」の中に書かれた美食家の定義の中より「美食家とは・・賞賛と奨励に値する人、何故なら栄養器官が健康で安全な状態に在る結果であり、また証拠である・・」と。
(参考:ブリア・サヴァラン著、関根秀雄・戸部松実訳「美味礼讃」全2巻、岩波文庫)
今春「どうして人類だけが太るの?」が電子書籍で新発売

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- 著者
- 橋本浩明
- 出版社
- 日経BP社
- 初版
- 2004年発行
- 電子書籍
- 2011年3月
どうして人類だけが太るの?
内容紹介
「肥満の予防と治療にいい食事は、人類の祖先が最初の40万年前に食べていたものと、非常によく一致している」-------。
人類が誕生して現代人に進化していく中で、私たちが何を食べてきて、私たちがいま食べているものといかに違うか、そのことが生活習慣病増加の原因になっていることを指摘。カロリー制限が解決策になるとし、少食による病気予防効果と長寿の可能性を科学的論拠に基づいて示す。健康情報誌『日経ヘルス』の編集によるおススメの1冊です。(日経BP書店)
創造力が生かせる健康長寿 
- (社)尚志会「豊かな歩み」15号、平成22年10月発行に寄稿
「創造力が発揮できる限り、胸を張って理想的な健康寿命を喜べるだろう・・・」
で始まる経験の集積を記した小文が掲載された。(社)尚志会とは広島文理科大学、広島高等師範学校、広島大学にわたって継承される教育系の会員組織であり、毎年1号の機関誌が発行される。著者が厳しい時代に生き貧しいながらも恵まれた教育環境に育てられた価値への賛歌でもある。
平成22年5月に開催された、尚志会大阪支部総会における講演内容に加筆した。 尚、本文中に著者が「健康長寿と食事」へのライフワークを求めて道を開いた経過の一部を例題を一部取り上げている。- (内容目次)
「願えば叶えられる」〜創造力への道を開く〜 - 振り出しに戻る
下斗米研究
企業人に、合言葉は「無から有を生む」
定説で事を納めるな
酵母菌がベンゼン環を開裂した
初めに願いあり「模倣から創造へ」
創造力の発展の道
@ 自然に学ぶ「致知在格物」
A 「真、善、美」を追求する
B 「還元主義」は万能でない
C 「帰納と類比」繰り返して訓練される
D 創造的環境を生み出す
終わりに
「世紀の新薬発見・その光と影の物語」を翻訳出版できました
- 50年前、私はむし歯予防の研究を通して、一人の独創的な科学者に指導を頂き共同で研究をしていました。そして、アメリカで直接にお会いし研究の成功を語り合いました。
- この科学者の消息を尋ねてアメリカの新聞記事を通してこの本に行きつきました。
- 題名:
- Finding Dr.Schatz:
- The Discovery of Streptomycin and A Life it Saved -. - 著者:
- Inge Auerbacher & Albert Schatz
- 発行:
- iUniverse Inc., New York 2006
- 翻訳書:
- 世紀の新薬発見 その光と影の物語
−ストレプトマイシンの発見と救われた少女の命− - 著者:
- インゲ・アウワーバッハー、アルバート・シャッツ
- 翻訳:
- 橋本浩明
- 出版:
- PHPパブリッシング、東京
- 発行
- 2009年9月15日
大学院の学生であった青年が、一人で地下の研究室で結核菌と戦い、使命感と情熱をそそいで抗生物質を発見、ストレプトマイシンと名付けました。- この青年、シャッツ博士の発見は指導教官が総てその功績である特許権、やがてはノーベル賞を一人占めにしたため、不遇な生涯を過ごしました。
- 晩年はイギリスの研究者が発見の詳細を調査し世界に公表したことからストレプトマイシンの共同発見者としての名誉を回復しました。
- 一方で、ドイツ系ユダヤ人のインゲ・アウワーバッハー女史は、ナチスにより強制収容所におくられたホロコーストの幼児生存者で、収容所で肺結核に侵され、以後の青春時代まで病気と闘いました。ストレプトマイシンの発見が間に合い、長期投与の結果、劇的に回復されました。そして、命を救われたお礼を言うために、この新薬の発見者を探していました。
- この本は、新薬の発見者と命を救われた少女の物語、そこには、理不尽な迫害を受けながらも人間の尊厳を貫いた二人の気高い人間の感動的な物語です。
- この本の書き出しに、インゲ女史は「人生において何事も偶然は起こらない」とありました。私もこの本との出会いと出版には理由があったのです。
「コッツウォルズ」食料品店の店先にて
イギリス旅行中にこの国で一番美しい田園風景と言われるコッツウォルズ地方を廻った。- 「ブロードウエイ」と呼ばれる町がある。その街の中心で食料品店の店先に目が向いた。
- この地方の田園風景は、地平線を波打つような緑の景色の中に石造りの古い町並みが点在している。イギリスの大事な国民遺産として保存されている。
勿論、生活している村々である。が余りの美しさはまさに、「箱庭」のようであくまで伝統の景観である。- ところが、この八百屋さんの店先を見て途端に生活感に立ち返ってきた。なじみの果物、野菜がみずみずしくて食欲を刺激する。そして、この街の人たちが豊かに生き生きと暮らしていることを思い起こさせた。
- ホテルも、レストランも、農家も、土産物店も、そしてパブも、庭園も畑も総てが景観の要素である。が、食品店の店先はまさしく私の生活感をくすぐった。
- 並んだ素材の身近さはどうでしょうか?
- 面白いのは、ショウガが果物の列にあり、アボガドが野菜の列にある。食事の料理皿がうかがわれる。
- 目立つ所に、最近日本でも話題の「バター・スカッシュ」=ニホンカボチャが一個だけあるのが目についた。多分、パンプキンスープとか、パンプキンパイが作られるのだろう。
- ふと、身近な果物と野菜を見てるうちにコッツウォルズの街並みが身近なものになった。
クラブ広島20年6月例会にて講演
- クラブ広島は、昭和25年8月に創立されて以来、京阪神地区在住の広島県に縁故のある財界人、医師、学識経験者を会員として相互の交流と啓発をはかる為に、定例会を毎月開催している。
- 健康長寿への関心と知識への意欲が高く、毎月の例会では西宮市に内科医院を開設されている西林茂裕博士が、時局に相応しい「健康トピックス」を講義されるのが恒例になっている。
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6月度の例会の講師に指名を受けて、最近の健康長寿の話題に相応しい内容を選び、「健康長寿・自然食品・美味礼讃」と題して講演した。
- 日本で2000年に始まった「健康日本21」の健康目標は、5年後の調査ではむしろ悪化しているのが現状である。
- こんな背景の中で、日本もいよいよ健康長寿に向けた予防医学を重視した「メタボ健診」の運用の時代に入った。
- 「ファーストフード」は、安くて高カロリー、高栄養で、おまけに世界の誰が食べても美味しい味は、世界中で受け入れられたが批判も浴びている。
- その一方で、栄養学の進歩の中から健康と食材の成分の効果が洗い出され、その知恵からでき上がった「サプリメント」は、簡便で生活習慣病の予防になると宣伝されて同じように世界にひろがった。
- ところが、日本だけでなく欧米先進国では食品の農薬汚染、狂牛病、偽装表示などが消費者を怒らせて市場にも反動が起こった。
- 最近、世界の食品市場をみると、欧米ではオーガニック(有機栽培)食品から、さらにアメリカの「自然食品(ホールフード)」、そしてドイツの「自然食品(ビオマーク食品)」へと広がってきた。
- 世界では食文化の運動「スローフード運動」、「スローライフ運動」、「ロハス生活運動」、が日本にも影響し、「有機農法」「自然農法」「食育」、そして「地産地消」などが徐々に広がっている。
- 私たち日本人の伝統食は、世界の伝統的な食事の中でも優れた長寿食と認められておりその伝承の知恵は次の世代に伝えたい文化遺産である。
- 日本人の生活文化の源流には、長い歴史の中で身近な海辺と里山の自然と四季の移り変わりに暮らしを調和し自然に寄り添ってきたことがある。
- 伝統や習慣を習い農漁村の話を聞き、しばし考えてみると、身の回りにある自然の恵みこそ、カラダに良い健康長寿の食物である。
- 健康長寿食を求めて「自然の食物はカラダに良い」ことにたどりついた。
本日のメニュー
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- 平均寿命・平均余命・「健康寿命」
- 平均余命と寝たきり期間
- 健康寿命を延ばす
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- 健康寿命の指標・メタボ基準
- 見逃すなメタボのサイン
- 働き盛りと定年退職時がポイント
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- 健康長寿はサプリメントか食事か
- 栄養学を混乱させた還元主義
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- 「自然食品」はカラダに良い
- 祖先と同じ遺伝子が食物を間違っている
- 都築正男博士(原爆被爆調査)の療養指針
- 欧米の自然食品のマーケット
- 自然食品とは、そしてその長所は
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- 増やしたい食物と減らしたい食物
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- 老化を遅らせる腹七分
- 腹七分は自然治癒力を高めて寿命をのばす
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- 「美味礼讃」
- 瀬戸内から雪深い山地まで
- 広島県は日本の食文化の縮図
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土鍋の里の野菜料理
- 伊賀上野市は歴史の中では伊賀衆の働きや仇討ちの勇壮な記録、松尾芭蕉の生家のある城下町、そして伊賀焼の窯元で知られた歴史の町である。
- 伊賀焼は信楽焼と趣きが異なり、豪快な茶道具で知られている。窯元が集まる丸柱地区で、窯元長谷園を訪ねた。
- 17代ご当主の長谷優磁さんの「うまいもんが食いたい」の思いから広がった各種の土鍋の世界に惹かれて山里に向かう。
「うまいもん」を目指した道具つくりの思いは頂上に至り、母屋を開放して「200年の味わいを残す店、創作料理・なが谷「母や」を開かれた。(写真:右)- 地元で取れる新鮮な野菜料理を珍しいむし鍋でご馳走になれるのを楽しみに出かけた。
- 窯元では多くの作品を展示されており、やはり茶道具が目に付くが、それよりも独自に工夫された土鍋が、直火用、電子レンジ用を含め、生活に溶け込むような多様な大きさ、機能のものが目出つ。
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なが谷「母や」では、ご自慢の土鍋で炊くご飯に添えて、「蒸し鍋」をご馳走になった。
新鮮な野菜の食べ方では、自然の味をそのままに食べる料理では初めての体験で、カラダが目覚めてくる気配を覚えた。(写真:左) - 一般に鍋料理は各地の山海の動植物の素材を多種多様に混ぜ合わせ、多くの味覚の素材が絡み合ったまろやかな美味しさに特徴がある。
その点で、むし鍋は他の食材の味が混じらない素材そのものの味を、新鮮な食感のままで食べる点に特徴がある。伊賀丸柱地区の窯元ののぼり窯、展示場、母やの他にも東京店もあるようだ。
(参考:長谷家の土鍋・365日、主婦と生活社、私のカントリー別冊,2005) - この「蒸し料理」についてその応用や原理、そして何故健康に良いかなどは、
菜色健美の本文
- 「コラム5、健康長寿に食べる知恵と秘訣」の項の
- 「野菜を一日365g食べる為のヒント」の記事の
- 「例5)野菜を美味しく食べるむし鍋料理」を参照。
広島県の山里「比和町」農政講演会で講演
庄原市比和町「農政講演会」、平成19年5月25日
- 広島県が島根県と接するところに比婆道後帝釈国定公園があり、その中の名山「吾妻山、1238.8m」の清水が流れる、すその山里が広島県庄原市比和町である。
- 大山の『ぶな林』より西の吾妻山にも貴重な「ぶな林」があることは植生としても興味があり、この天然の資産は村の誇りでもある。
- 「ぶな林」は、九州、四国の高山にも分布がみられが、比婆山で今尚健在な「ぶな林」への関心こそが興味深い古代の山里の人々のくらしへの誘いともなった。
- なぜ、比婆の山に天然のぶな林が健在であったか、その理由は「古事記」にあった。「伊邪那美神は 出雲国と伯伎国(伯耆国)との 境の比婆の山に葬りき」 即ち、いざなみの命の御陵(墳墓)と伝えられ、信仰を集めて『オノ』が入らず今日があると伝えられている。
- また、古代の刀剣づくりの盛んな出雲、伯耆の国の鉄を中国山脈の各地には砂鉄から精錬する「たたら」の里としても知られてきた。 そして、明治の産業革命までの長い間、これらの「たたら」は働いていたようである。
- 勿論、この比和町にも古代の製鉄所「たたら」の遺跡がのこされており、古代文明の自然の博物館の如しである。
- 町には市立の比和自然科学博物館もあり、特別展示のモグラの収集展示は見ごたえがある。
- そして、郷土文化保存伝習施設による「山里の文化」の保存伝習に力を注いでおり、「山里の食文化-食と民具」の小冊子を拝見し、町の人たちが伝統の生活を誇り伝承しようと知恵を集めた生活史は、伝統の食文化に関心を持つ者には得がたい参考資料である。
(参考:山里の食文化ー食と民具:
比和町郷土文化保存伝習施設、1994年発行)
この度は、町の若い人たちが行政と力を合わせて比和農政講演会を開催し、多くの町民の方々が集まり「変わり行く農業の環境」を自覚し、現代社会の「食と農」について専門家の話を聞き、比和町の特徴をいかした「これからの農業」を考える機会にしようと企画された。
(写真右:講演会場のスナップ)
「比和農政講演会の題目」
- 「広島県の農業について」
広島県農業会議事務局長 阿部修一氏 - 「食と健康についてー自然の食べ物はカラダに良い」
理学博士 橋本浩明 - 「食の加工についてーカラダがほしがる農産物の加工品」
島根県立大学短期大学部 准教授 赤浦 和之氏
(総括)比和町の農業これからに期待
広島県農林振興センター アドバイザー 長谷川 登江子女史
講演:「食と健康についてー自然の食べ物はカラダに良い」、橋本浩明
- 序:
- 健康長寿を望むなら
- 1部:
-
- 日本人の健康目標が悪化
- 日本人に肥満が増えている
- 肥満大国に悩むアメリカ
- 肥満はなぜ悪いのか
- 2部:
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- 危険信号:メタボリック・シンドローム
- 3大疾患を克服すると7-8年延命する
- 肥満予防に最適の食事とは
- 3部:
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- どうして人類だけが太るの?
- 先祖は現地の食材で自給自足
- 未開民族から何を学ぶか
- 健康を守る現地食もウエスタン化の危険が迫る
- 世界の健康長寿食「ギリシャ・クレタ島の食事」
- 4部:
- 広島県の食文化の特徴を大切に
- 5部:
-
- 健康長寿を決める食事
- 増やす食品と減らす食品、そのわけ
- 野菜を美味しく食べよう
- 若返りのヒケツは腹七分
カラダに良い山菜料理を食べる
山里の自然の恵みの1つに山菜があり、比和町の方々が豊かな山菜料理を振舞ってくれて、その自然 の味に魅せられた。(写真右:料理の一部、山菜盛り合わせ、メラ、ヤマメのいくら)- 深山から採れたての山菜は、交配を繰り返して栽培された温室育ちとの野菜と違って、強い食感と野生の香味が味覚をひきつける。
- 自然の植物の原種のままに永い時代をへて、本来の品質を変えないことは魅力である。
- 十分に成熟し本来の植物有効成分が豊富なことは香味からして想像できるし、豊かな繊維質は腸内の浄化には良く働いてくれると思う。
- この比和町の皆さんの山菜との暮らしからくる伝統の調理はこれからも続いてほしい。
京都の町家から「食育の情報発信」
今、京都の町家の伝統を継承し新しい時代の中で生き生きと再生していくことを願って、平成4年に京町家再生研究会が生まれその輪が広がっている。- 同志社大学講師で、管理栄養士の中井邦子先生は、かねてから若い世代を中心に食育への情熱をかけ、京都なら町家を食の情報発信の場にしたいと念願されていた。
- 平成19年4月28日、いよいよ京都三条猪熊に創建後百数十年を経た町家を改修され、ご披露と第1回のイベントが開催された。
(写真上:三条猪熊・なかい正面) - 町家とは、京町家研究会の解説では「平安京の町割りを下敷きに中世、近世を経て洗練と完成を見た伝統的な都市住宅」のこととされている。

- 隣近所と軒を連ねて伝統の中で新しい生活し文化を創り出そうとする京都人の心が秘められている。
- 4月28日は、午前からのご披露には中井先生を囲む若い人たちで、流石の町家が一杯になった。
(写真左:中井邦子先生のご挨拶) - 午後は第1回のイベントとして『幼児期の食事について』、食育キャラバン隊の活動報告と交流会が開催された。
- この『食育キャラバン隊』は中井邦子先生の指導で、結成されて5年目を迎えた。
そして、主な活動は幼児期の子供たちに『食べることの大切さ』さらに『バランスよく食べる』ことを伝えることを研修し実践活動をされている。
(写真右:キャラバン隊活動報告) - 当日は、この運動に関心を持ち、また実践の場となる『保育所』、『幼稚園』のスタッフの方々が数十名ほど参集され活発な意見効果がされた。
- 本来、食文化は土地の伝統的な食習慣の中から形成されてきたが、今日では食材、調理ともども個性がなくなり、やがては持ち込まれた文明の西欧化で健康にも好ましくない影響を受けて新しい生活習慣病を生んだこの頃のことである。
- 京都の伝統の食スタイルを持ち伝統的な町家に囲まれたユニークな食の情報発信のマッチングに新しい期待で注目したい。
- なお、5月27日には『茶の湯で食育』の会を予定されている。
(2007年5月)
市民健康づくり講演会(吹田市)で講演
平成19年2月26日、吹田市健康づくり推進事業団(財)が主催した講演会が吹田市民文化会館で開催され、集まった130名の吹田市民の方々に著者が講演を行いました。
テーマ「健康長寿を決める食事」ーどうして人類だけが太るか?−
講演趣旨:
- (まえがき)
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- 高齢化の時代にあって、誰もが「せっかく授かった命、末永く楽しく生きよう」と、寝たきりにならない自立した健康寿命を願っています。
- 日本は、世界一の平均寿命が長い国、その幸せを甘受したいが一方で寝たきりの期間が世界でも長い国と言われ、気になるところです。
- これらは私どもの食事と運動、言い換えるとライフスタイルにあります。最近、生活習慣病を予備軍の内から早く見つけて、対策を取ろうとする医学の進歩から「メタボリック・シンドローム」の診断が進みました。
- この診断は、健康長寿に大変に大きな意味を持っています。
- 「健康日本21」、国あげての健康づくりの運動が平成12年に始まり、5年を経過して中間調査が行われました。
- その結果、「健康と食事のことを理解し」食生活を改善する意欲がある人が増えたに関わらず、肥満者が逆に増えているのが現実です。正に、肥満大国アメリカの傾向と同じです。
- この「健康と食事の理解」とは何でしょうか?誰もがよく聞かされた、特定の食品とか、栄養成分の効能、そしてサプリメントの知識が身について、食事全体を見る眼が曇ったのではないかと心配です。
- 今、アメリカを中心に、世界はサプリメント全盛の時代を反省し、もっと大事な「食事全体」に目を向けた健康長寿への挑戦が主流になってきました。
- 本日は「個々の食物や成分だけを食べるより、自然の野菜、果物、全粒穀物、豆などを食べるのが生活習慣病の予防には正しい手段」というに点ついて、何故それが良いのか、何によいのか、そして実行できる身近な話題をお話したいと思います。
- (内 容)
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- 健康づくり目標が悪化している?
- 日本人の「肥満」が増えている
- 糖尿病になり易い日本人
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- 働き盛りの「危険信号:メタボリック・シンドローム」
- 3大死因を克服すると7−8年延命
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- どうして人類だけが太るの?
- 人類の祖先が残したもの
- 世界の長寿食「クレタ島」
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- 「増やす食品・減らす食品」とその理由
- 若返りの秘訣は「腹七分」に
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- 健康長寿を決める食事を求めて
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(2007年3月)
吹田市「ヘルシーランチの会」に参加
- 吹田市健康づくり推進事業団では、昨年に引き続き今年度も1月31日に市民を対象にヘルシーランチの会が催された。
- 健康な食生活に向けた「食育」を続けてきた吹田市ではかねてから「ヘルシーデイナーの会」が催され、それが進化してランチの会になった経緯がある。
- 参加申し込み者は、夫々、身長、体重を登録して適性体重が計算され、あわせて胴回りの計測が行われて、ランチを選び、解説を聞きながら、食べながらの中味の濃いランチの会である。
- 最近話題のメタボリック・シンドロームの解説、食事のバランスガイドの大事なポイント、食事献立のヒントをわかり易く指導された。
(当日の献立:右の写真2枚)
- 豪華なフルコースランチで、ご飯を残すほど美味で満腹の充実である。

- この企画と指導は、吹田地区栄養士会サンクラブの皆さんで、栄養士のユ ーモラスな解説と、個々の担当の栄養士 の説明によって、楽しくわかりやすい内容であった(左の写真)。
- この会の特徴は、国の厚生労働省と農林水産省が共同で設けた「食事のバランスガイド」を実際的に応用されたもので、世の中のかなり自己流の私的な食事指導を離れて、基本となる日本人の為の食事ガイドに従っている。
- 時々には、教科書である「日本人のための食事指導のガイドライン」を確かめて身に着けておくものと思う。
- 世界の長寿国の食事を調査し、長寿の謎解きをしながら長寿食の研究と普及の先頭にたつ、京都大学名誉教授の家森幸男博士は、1日にたったの1食でも長寿食を食べる努力こそ大事であると、「ヘルシーランチ・プロジェクト」を推進されている。
- 家森博士は、「究極の長寿食・日本版」としてモデルのヘルシーランチを10種類作り、その紹介と推進を続けておられる。
参考)家森幸男著:長寿の謎を解く、(NHK 知るを楽しむ この人この世界)、日本放送出版協会、2006.12.1. 発行 - 世界の健康長寿食を目指す世界の流れの中で、今回の吹田市の「1日の理想的なヘルシー食」を念頭に準備された吹田市栄養士会の皆さんの工夫と知恵に満ちた会に感謝しこれを日常生活に是非とも生かしたい。
(2007年2月)
牛乳でお腹ごろごろ(乳糖不耐症)を解消
牛乳を飲むと「お腹ごろごろ」は、人種によって多少があり、北欧では少ないが、アメリカ人では3千万人から5千万人入るとされている。- 統計によると、東アジア系では60%の人にみられるという。
- 日本人にも多いと言われるが、もともと、無意識のうちに手を出さない人が多く、正確な統計もなく日本ではあまり重要視されない。
- 一方で、日本国の「健康日本21」の健康指針によると、カルシュームに富む牛乳、乳製品を、1日130gを食べるように指導されている。
- 乳製品で「お腹ごろごろ」の乳頭不耐症とは、乳製品に含まれる乳糖が、通常では腸内の酵素「ラクターゼ」によって、ブドウ糖とガラクトースという消化性の糖に分解されるが、不耐症の人にはこの酵素が足りないので、消化できなく下痢を起こすわけだ。
- 酪農の発達した北米では、そのために、予め乳糖を分解した安全な製品や家庭で処理できる製品、そしてお腹がごろごろする時に飲む錠剤などが開発されて市場に数多く出ている。
- 「菜色健美」の筆者は、20年前にこの製品開発の成功を聞いており、最近の事情を学ぶ為に、1月末にカナダのトロントを訪問した。
- この技術開発に成功した、カナダのトロントにある技術開発会社のゲルダ・サイエンテイフィック社を訪ね、その開発の経緯や現状を聞いた。
- 右上の写真は、同社が開発し、技術を提供して製造された乳糖除去済み製品や関連製品である(写真)。
- これらの製品には2種類があり、一つは、牛乳を予め乳糖分解酵素を加えで乳糖を分解して出荷される。
- もう一つのタイプは、錠剤で、乳製品を飲食した後に服用して、お腹で乳糖の分解を助ける、医薬品や機能性食品がある。
- 何れも不耐症の原因となる乳糖を分解するので、お腹ごろごろは全く起こさない。
- この分解は、もともと人体には在るもので、自然界にある乳糖分解酵素を応用しているため、人体には安全である。
- この会社では、世界の乳糖分解酵素をテストしたが、良い結果が出ないで苦労した結果、日本で発見し製造された乳糖分解酵素がすばらしい性能を持っており、ようやく技術開発に成功している。
- ちなみに、ヨーグルトはかなりの製造中の発酵により乳糖が分解されるため、お腹ごろころは少なくなる。
- カナダでは、牛乳中の乳糖を98%以上分解されている場合は、法律でラクトーズフリー(無乳糖)と表示することが許される。
- 日本人の乳糖不耐症は、牛乳を無意識で飲まない人や牛乳のストレートの飲用が少ないことからあまり問題にされなかったが、「健康日本21」の乳製品の奨励や、生活の欧米化と共に、又高齢者のカルシューム供給の為に乳製品が増えてくるに従ってこれらの対策製品の開発が進むと思われる。
(2007年1月)
楽しく作る「野菜青汁」パーティ
- イギリスの著名な美容評論家で、健康図書をすでに多数出版されているレスリー・ケントン女史はジュースがどのように健康に役立つか優れた解説をされている:
参考)レスリー・ケントン、ラッセル・クローニン共著、小林令子訳:
週末はあなたを変える「ジュース・ハイ」、青山出版社、1997年発行 - 単なるレシピ本でなく、彼女の繊細な体験から生まれた知的健康法として、ジュース愛好家にお勧めの一冊である。
- レスリー・ケントン女史と私はロンドンでお会いし、伝統的なヨーロッパの医療に流れを汲む健康と食事の文化と実践を多く学ぶことができた。
- 数多い著書の中で、日本語版はこれ1冊、なぜジュースなのか深く味わいながら、実践したくなる。
- 彼女も日本で体験しお気に入りのこの「野菜青汁」、朝の目覚めと食卓に添える「美味しくて豊かな栄養」の青汁、レシピも工夫次第だが、その一歩は楽しく作って味わってみること。
- 「菜色健美」では、青汁をしばらく続けてわかる体感を伝える為に、「野菜青汁」パーテイの輪を広げている。
(2006年12月)
下の写真は、最近のパーテイからのスナップ:
- 1)講演と実習の会「健康長寿と食物」より

- 2)ホームパーテイ「野菜青汁」を作ろう

- 3)職場講習「菜色健美と野菜青汁」トークと試作、試飲の会














